フォスター&サン
世界的に有名な香港のセクトショップThe Armory。
そのアーモリーが運営する、DROP93というアウトレットサイトで
昨年スタートしたばかりのFOSTER&SONの既成靴が投げ売りされています。
セミスクエアトゥのシンプルなオックスフォードキャップトゥ。
トゥシェイプ、ノーズの長さ、全体のバランスなど、
「出すぎていない」「やりすぎていない」ところがこの靴の魅力です。
横から見たアングルがわかりやすいと思いますが、
アッパーとソールの一体感、土踏まず部分の曲線など見事です。
3,700HKDなので日本円でギリギリアンダー5万円くらいです。
関税がかかったとしてもとんでもないバーゲンプライスですね。
ローファーも。
シンプルデザイン。ソールの仕上げがとても綺麗です。昔のロブやグリーンのような雰囲気です。
サイドゴアブーツも破格のプライス。
甲からの立ち上がり、足なりにねじれが加わってそこからスッとした鼻筋のように上に伸びています。
良い靴のお手本のようなフォルムです。
双日の出資によって実現したフォスターの既成ライン、
中庸的なデザインとバランスに丁寧なつくりが加わったことで、
エドワードグリーンの良い部分を濃縮したような靴だという印象を持っていました。
エドワードグリーンに感じる細部の甘さを克服した「気」の入った靴だと感じました。
ファーストロットだというのも大いにあると思いますが。
コロナウィルスの影響により双日が投資を中止したことで、新工場自体消滅してしまいました。
「気」の入った靴を見ると、余計に職人さん達の無念さを想像してしまいます。
見た目の個性は弱いですし、価格もグリーン並みなので
押し出しが弱いだろうなと思っていました。
しかしながらクオリティ自体は非常に高かったので、こんな短期間で終わってしまうのはとても残念です。
双日の撤退の判断が良いか悪いかは外野からはわかりませんが、
「良い物をつくれば売れる」というワケではないのが世の中の難しさですね。
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